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院長通信

2010年7月

鼻出血(鼻血)

鼻出血(鼻血)は日常生活でしばしば遭遇する耳鼻咽喉科疾患です。
最もよく出血が起こる部位は左右の鼻を分けている鼻中隔の鼻の穴から約1cm入った指先が届く付近にあり鼻出血の80%以上がこの部位から起こります。

子供に見られる鼻出血の大部分はアレルギー性鼻炎や急性鼻炎による粘膜のびらんが原因となったものです。 繰り返し生ずる鼻出血の場合たいていこのような鼻腔の炎症が基礎にあります。 また顔面外傷や鼻腔内異物が原因となる場合、血小板減少性紫斑病や白血病が原因となる場合もあります。

大人に見られる鼻出血は鼻中隔湾曲症と呼ばれる鼻腔形態異常に高血圧症、動脈硬化症、肝臓病等の基礎疾患が重なっている場合が多く、まれに悪性腫瘍等に基づく出血もあります。 また循環器系の病気で血が固まりにくくなる薬を服用されている場合は些細な刺激で鼻出血を繰り返す場合もあります。

鼻出血に対する最も有効な止血法は圧迫止血です。
ティッシュペーパーを硬く巻いて鼻の穴から約2cm奥まで挿入します。
鼻出血をきたしている間は血液がのどに流れ込むのを防ぐため仰向けに寝かせないようにしてください。 寝かせる場合でも横向きで顔が下を向くような体勢を取ってください。
鼻出血が止まってもこのティッシュペーパーは動かさずにそのまま専門医の診察を受けることをお勧めします。 ティッシュペーパーを挿入しても血液をはき出し続ける場合は鼻の奥からの出血の可能性が高く、出血点を確認する事が難しく、出血量も多くなりますので早急に専門医を受診することが必要です。

病院では出血点および出血の原因を確認し、止血処置を行います。
最も確実な止血方法は電気凝固です。

これは器械を使って出血している鼻粘膜を部分的に瘢痕化させ血管を潰す事によって止血を図る方法です。
出血点が確認できる鼻出血のほとんどは電気凝固で止血する事が出来ます。 器械の入らない鼻の奥の方からの出血ではガーゼを鼻腔内に充てんして止血を図らなければならない場合もあります。

鼻出血を繰り返す場合、子供では血液疾患、大人では高血圧や悪性腫瘍等が隠れている場合がありますので一度は血液検査やレントゲン検査を受けられる事をお勧めします。