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院長通信

2025年1月

2025年を迎えて

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

 ここ数年猛威をふるっておりました新型コロナウイルス感染症も昨年後半に入ってかなり下火になってきたようです。 一方で、昨年末からインフルエンザウイルス感染症に罹る方が増えてまいりました。インフルエンザの潜伏期は1〜4日とされ、発症前日から発症後3日までが感染しやすい時期とされています。 したがって私たちは気が付かないうちに人に感染させたり人から感染させられたりしているわけで、インフルエンザが他の風邪と異なって爆発的に流行する理由の一つです。インフルエンザウイルスは感染した人の咳などから移る飛沫感染や、感染した人が触ったものから移る接触感染が主な感染ルートと考えられています。そこで出来るだけ人込みを避ける事、外出時にマスクを着用する事、頻回に手洗い及びうがいを行う事等によって感染の可能性を減らす事ができます。

 インフルエンザは有効な治療薬がある数少ないウイルス性疾患です。しかし治療薬が効果を発揮するのは発症48時間以内に使用した場合に限られますので、早期診断が重要となります。高熱、全身倦怠感、関節痛などのインフルエンザウイルス感染症を疑わせる症状がみられた場合は出来るだけ早く検査を受けることをお勧めします。 発症直後に治療薬を使用することができれば重症化することなく短期間で日常生活に復帰することができます。これはインフルエンザに限ったことではなく細菌性の上気道感染症でも早期診断、早期治療が重要です。

 日常診療の中で治療開始のタイミングを逃したために症状を悪化させ、治癒までに時間がかかってしまう方をしばしば見受けます。体調異常を感じられたときは早めに受診していただきたいと思います。またご自身の判断で薬の服用を止めたために症状を再発させる方もしばしば見かけます。私が感染症に対し処方する薬は必要最低限と考えられる量なので、処方された薬は必ず全部飲み切って、薬が切れた時は必ず受診していただき薬を止められるか継続すべきか判断させていただきたいと思います。現在社会問題となっております耐性菌の出現を防止するためにも処方された薬は必ず全部飲み切ってください。

 繰り返し述べさせていただいておりますが、当院では発熱、咽頭痛、咳などウイルス感染症を疑わせる症状を訴えられる患者様につきましては診察前に院外(当院駐輪場)でウイルス検査を行わせていただいております。この診察前スクリーニングは今年も継続させていただきますので、発熱、咽頭痛、咳等の症状で受診される方は必ず受診前に電話連絡をお願いいたします。待ち時間が生じないよう受診時間を調整させていただきます。
上記症状で直接ご来院された場合は長時間院外でお待ちいただく場合もございますので必ず連絡をお願いいたします。