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院長通信

2011年9月

突発性難聴

 皆さんは突発性難聴という病名を聞かれた事があるでしょうか。
これはある日突然に聴こえが悪くなる病気です。聴こえが悪くなる病気は耳垢や中耳炎等たくさんありますが突発性難聴も その一つで、当院でも月に数名この病気に罹った患者さんが来院されます。

 この突発性難聴は耳鼻咽喉科領域では最も緊急の治療を要する病気の一つで、心臓の病気で言えば心筋梗塞、 脳の病気で言えば脳梗塞にたとえられるほど治療に急を要する病気です。
症状が起こってから治療を開始するまでの時間が短ければ短いほど良好な治療成績を得る事が出来るのです。
また突発性難聴では聴力障害の程度が強いほど、めまいなどの随伴症状が多いほど治りにくい事が知られています。
発症してから2週以上経過している場合、聴力が90デシベル以上の高度難聴である場合は聴こえを元の状態に戻すことは困難です。

 突発性難聴の症状はもちろん聴こえが悪くなる事ですが、軽症の場合は「耳が塞がった感じがする」、「耳鳴がする」、「音が響いて聞こえる」 等の症状が主となり「そのうちに治るのではないか」と考えられ治療のタイミングを逃してしまう方がしばしば見受けられます。 軽い症状でも一度治し損ねると一生その症状に悩まされる事になってしまいます。 3日以内に治療を開始出来た軽症の突発性難聴ではほぼ全ての患者さんが治癒し、症状出現前の状態に戻られています。 突発性難聴は軽症であるほど治りやすい病気なので先に述べたような症状を感じられたなら早急に耳鼻咽喉科医を 受診される事をお勧めします。

 突発性難聴は原因不明の病気で、何らかの理由で内耳の神経細胞がダメージを受け聴こえが悪くなると考えられています。
最も一般的な治療法はステロイド剤やビタミン剤を約一週間毎日点滴する方法です。 何らかの理由で点滴が受けられない場合は内服治療を行う場合もありますが治療効果は点滴より劣るようです。
重症で治療を行っても聴力が回復しない場合は高気圧酸素治療(入院が必要になります)を行う場合もあります。

 どのような病気でも治療が早いに越したことはありませんが、治療が遅れると完治が望めない突発性難聴のような病気も多々あります。
耳に違和感を生じたら早急に耳鼻咽喉科医を受診してください。