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院長通信

2012年1月

インフォームドコンセント

 皆さんもどこかで一度は「インフォームドコンセント」という言葉をお聞きになった事があると思います。日本語に適当な訳語がないためか(無理に訳せば「十分知らされた上での同意」となります)「インフォームドコンセント」と英語の発音がそのまま使用されています。
「インフォームドコンセント」を日本語で説明すると「患者が医師から病気の内容、治療法、治る確率やその治療法の問題点、危険性などを詳しく知らされ、患者がそれらを納得、同意した上で治療法を選択する事」となり、現在では医療における人権尊重上重要な概念とされています。

 一昔前の日本の医療は患者様の「おまかせします」に医師が「わかりました」と答えて医療を行う医師任せの治療がほとんどでした。
しかし医療の世界にも押し寄せた「グローバリゼーション」(外来語ばかりですみません、日本語では「国を超えて世界規模で基準などが標準化される事」となります)の影響で、日本の医師にとっても「インフォームドコンセント」は避けて通ることが出来ない概念になりました。

 日常診療での「インフォームドコンセント」を耳痛で来院された急性中耳炎の患者様を例にとって具体的に説明しますと、「医師が患者様の症状が中耳腔に炎症が生じ多量の膿が中耳腔にたまり鼓膜が圧迫されることによって生じた急性中耳炎によるものである事を患者様に理解していただける様に説明し、急性中耳炎に対して行い得る鼓膜切開術、薬物による保存的治療などの各種治療法についてその利点、欠点を説明し、患者様に治療法を選択していただく」という事になります。
至極もっともな概念であり、当院でも鼓膜切開術、レーザー手術、鼻茸摘出術など痛みや危険を伴う治療では鼓膜や鼻腔の所見を患者様(または保護者の方)にお見せしてなぜその手術が必要なのかを患者様方に納得いただいてから治療を行うよう努めております。
またそれ以外の病気でも患者様の病気、治療に対するご質問には出来るだけお答えし「インフォームドコンセント」が得られるよう努力しております。
しかし多くの患者様を診察しなければならず、時間に制約のある日常診療の中で十分な「インフォームドコンセント」を得ることが難しい事も事実であります。

  当院では火曜日午後に手術用に時間を取っておりますので病気について詳しく説明を聞かれたい場合は火曜日の午後に予約を取り、時間を掛けて納得ゆくまで相談させていただくことが可能です。詳しい病状説明をご希望の方は診察時にその旨お申し出ください。