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院長通信

2012年9月

めまい

 先月の院長通信では患者様が悩んでおられるのにそれを客観的、具体的にとらえられない病気として「耳鳴症」、「一部のめまい」、「咽喉頭神経症」などを上げさせていただきました。
先月は「耳鳴症」について述べさせていただきましたので、今月は「一部のめまい」についてお話したいと思います。 「一部の」とわざわざ断りを入れた訳は、多くの「めまい」は原因を特定する事が可能で、原因に対応した治療を行う事が出来るからです。

 「めまい」という症状を引き起こす原因はたくさんありますが、大きく分けると耳が原因となるめまい、脳が原因となるめまい、全身疾患に伴うめまいなどがあります。
このように多くの原因で「めまい」が生じますので「めまい」症状をきたした患者様は内科を受診したらよいのか脳外科を受診したらよいのか耳鼻科を受診したらよいのか迷われることが多いようです。
耳が原因のめまいは一般的に直ちに生命に危険を及ぼすものではありませんので突然に強いめまい症状が生じた場合は脳外科で脳に異常がないかどうかを検査されることをお勧めします。 脳に異常がなければ耳鼻科的な検査を行います。

 当院で行える検査は聴力検査、簡単な平衡機能検査、眼振検査等でさらに詳細な検査が必要な場合は設備の整った総合病院へ検査を依頼しております。耳が原因のめまいと判明した場合はめまい止めの注射や内服薬で治療する事になります。

 ここで耳が原因となるめまいの一つである「メニエール病」について触れておきたいと思います。 この病気はメニエールという医師が報告した回転性めまい、耳鳴、難聴が繰り返し出現する特徴的な病気なのですが、しばしばめまいと同義語的に使われているようで、他の原因から生じためまいを「メニエール病」と診断されている患者様をしばしばお見受けします。

 耳が原因となるめまいは症状が長引く事もありますが多くの場合時間とともに症状が改善されますので、あせらずに安静を保っていただければと思います。

 前置きが長くなりましたが、患者様がめまい症状を訴えられるのにいくら検査をしてもめまいの原因が見つけられない「一部のめまい」について触れさせていただきます。
「めまい」は体と心のバランスの破綻で引き起こされる症状でもあり、心理的ストレスが原因のめまい、自律神経失調が原因のめまい、更年期障害が原因のめまいなどがこれに当たります。このような患者様は一般的に行われる検査では異常が見つからず、的確な診断が得られないため次々と医療機関を受診される方もしばしばお見受けします。心理的なカウンセリングや精神安定剤が有効な場合もありますので心療内科や精神科の受診をお勧めする場合もあります。 これらのめまいもじっくりと落ち着いて気長に付き合うといった態度が必要だと思われます。