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院長通信

2013年8月

病気の治し方

　病気を治すという行為は火事を消すことと似ていると思います。火事は起こさない事が第一で、起こってしまった場合は出来るだけ早く消火作業を始めて被害の拡大を防がなければなりません。また火事は完全に鎮火させる事も大切で、中途半端に消火作業を終了すると燃え残りから再出火する事があります。
病気もこれと同様で最も大切なことは病気にかからないよう予防措置を講ずることです。
次に大切なのは病気にかかった場合出来るだけ早期に治療を行う事です。
さらに病気を完全に治しきるという事も重要です。

　ふだん行える病気の予防措置としては、帰宅時の手洗い、うがい等があります。また夏期はエアコンの設定温度を高めにし、冬期は十分な加湿を行う等住宅内の環境を整えるのも病気の予防措置として大切です。規則正しい生活、暴飲暴食を避ける等は最も基本的な予防措置なのですが、なかなか守れない事も事実です。

　病気を早期に発見し治療が開始出来ればより容易により短期間で病気を治す事が出来ます。風邪薬の広告ではありませんが「かかったかな」の状態で治療を開始する事が病気を早期に直すコツで、治療開始が遅くなるほど治療期間が長引きますので時間的、経済的負担が増えてしまいます。
また病気の中には早期に治療を開始すれば治す事が出来るのに治療開始時期が遅れると治す事が出来ない病気もあります。
人間ドック等で定期的な健康診断を受ける事も病気の早期発見に有用です。

　治療の終え方にも注意を払っていただきたいと思います。患者様の中には症状が改善すると病気が治ったと自分で判断し治療を止めてしまう方がおられます。しかしかなりの方が数週間以内に症状の再出現を認め再来院されます。
治療を途中で中断すると結果的に病気を慢性化させる場合があります。
特に細菌感染症の場合中途半端な治療は耐性菌という薬の効きにくい細菌を作り出しますので医師に治療終了を告げられるまで治療を続けていただきたいと思います

　病気を治すのはあくまで患者様で私ども医師はそれを助ける位置にあると考えております。
私たち医師が経験の積み重ねで行う助言を参考にしていただきより快適な生活を送っていただきたいと切望する次第です。

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