兵庫県西宮市甲子園口 耳鼻咽喉科 レーザー手術 甲状腺腫瘍 花粉症 アレルギー

院長通信

2015年2月

花粉症対策

 今年もスギ花粉が飛散する時期が近づいて来ました。
昨年はスギ花粉症に対する舌下免疫療法薬の発売が許可されるという画期的な年でした。
しかし昨年末の院長通信でも述べさせていただきましたように、この治療は毎日薬を摂取して1〜2年後に効果が表れてくるという根気のいる治療で、しかもスギ花粉の飛散期およびその直前にはこの治療を開始できないという制約があります。実際当院でも昨年度にこの治療を開始された方は一人もおられませんでした。スギ花粉症にお困りでこの治療を行ってみようと考えておられる方は本年5月以降なら舌下免疫療法を開始することが可能となりますのでご相談ください。

 舌下免疫療法と同様に今からでは間に合いませんが、より簡単に治療効果を期待できる治療法にレーザー手術があります。
当院でも毎年約40名の方がアレルギー性鼻炎に対するレーザー手術を受けておられますが、その患者様の約6割はスギ花粉に対するアレルギーをお持ちです。そして約7割の患者様は花粉症の症状が軽くなったと感じておられます。目のかゆみ等には効果はありませんが、鼻水やくしゃみが減るだけでも楽にこの季節を過ごすことができると思います。レーザー手術の治療効果は時間の経過とともに薄れる傾向があり、数%の患者様は初回手術の2〜3年後に再手術を受けておられます。しかし5年以上効果が持続している患者様も多数おられます。来年の花粉症に備えるためには今年の夏から秋にかけて手術を受けられることをお勧めいたします。

 目の前に迫った今年の花粉症に対してはもう薬物療法に頼るしかありませんが、予防内服を行うことによってより軽い症状で花粉症シーズンを乗り切ることが可能だと思います。
予防内服とは花粉の飛散前から抗アレルギー剤を内服し、花粉が飛んできても鼻粘膜がアレルギー症状を起こしにくくする状態を作り出しておく治療法です。予防内服を開始する時期は例年2月中旬から下旬にかけてとなります。この時期の週間天気予報で1週後に気温が上昇すると報じられたら予防内服を開始してください。

 抗アレルギー剤として多くの薬剤が販売されており、どの薬が良いのか迷われる方もおられると思います。薬の効き具合や副作用の出方は患者様一人一人によって異なります。自分に合う薬を見つけるまではいろいろな薬を試してみるのが望ましいと思います。
花粉症は発症直後から治療を始めないとアレルギーの連鎖反応が起きて症状がどんどん悪化しますので、少しでも鼻がむずむずし出したら早急に治療を開始する事をお勧めします。