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院長通信

2016年2月

インフルエンザと花粉症2016

 2015年12月から2016年1月初旬にかけては稀に見る暖冬で、インフルエンザ感染者もほとんど見かけませんでした。 しかし1月も中旬を過ぎると本格的な寒さが到来し、インフルエンザが猛威を振るうようになりました。 当院の周辺でも学級閉鎖があちこちで報告されております。
インフルエンザに対する治療は発症48時間以内に行わなければ十分な効果が得られませんので38度を上回る熱が12時間以上続いた場合は早急にインフルエンザに感染していないかどうか検査を受けることをお勧めします。
12時間以上経ってからの検査をお勧めする理由は、現在一般的にインフルエンザ感染の診断に用いられている検査キットではインフルエンザ発症後半日以上経過してウイルス数が増加しなければ陽性と判定されないからです。 そのため発熱直後の検査ではインフルエンザではないと診断されたものの翌日の再検査でインフルエンザと診断される例も少なくありませんでした。
そこで当院ではより早期にインフルエンザウイルス感染の有無を判定するために高感度検出装置(デンシトメトリー分析装置)を導入いたしました。
この装置では発熱後6時間以内のインフルエンザウイルス感染者の約80%が陽性と判定されています。実際当院でも発熱後3時間の患者様からインフルエンザウイルスを検出しております。
高い熱が出てインフルエンザが疑わしい場合は時間をおかずに受診してください。ただし高感度検査で陰性であってもインフルエンザを全く否定することはできません。時間をおいての再検査および末梢血検査等によってより確実な診断が可能となります。

 最近は診断がつくと同時に一度だけ吸入すれば症状を抑えられる優れた薬剤も開発されておりますので早期診断がますます重要になっております。

 さて2月はスギ花粉が飛散しだす時期でもあります。気温の変動が例年以上に激しく予測は困難ですが今年も2月中旬になると花粉飛散が始まると思われます。
今から行える花粉対策は抗アレルギー剤の予防的内服です。
予防的内服とは症状の出る前から薬を服用して花粉が飛散する前に鼻の粘膜をアレルギー症状が起こりにくい状態にしておく治療法です。 火の手が上がってから水をかけて消火するより火の粉が飛んでくる前に外壁に水を掛け、火がつきにくくする方法と考えていただければ理解しやすいと思います。
当院ではスギ花粉症の患者様には遅くとも2月中旬までに抗アレルギー剤の服用を開始するようお勧めしています。 毎年花粉症の症状でお悩みの方で、今まで予防的内服を行ったことの無い方はぜひ一度この方法を試してみて下さい。多くの方が有効性を体感され、毎年この方法で症状を軽くされております。

 インフルエンザも花粉症もそれなりの対策を講ずれば大きな支障を被ることなくやり過ごすことが可能です。上記の対策を活用していただければより快適な日常生活が送れることと存じます。