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院長通信

2016年8月

予防接種と副作用

 最近私が気にかけていることに子宮頸がんワクチンの副作用騒動があります。 これはマスコミでも大々的に取り上げられていますので皆さんご存知だと思います。 予防や治療といった医療行為で患者様にとってマイナスの事象が発生することは私のような医療従事者にとって最も避けなければならないことですが、どれだけ努力しても発生をゼロにすることができないことも事実です。
毎年多数の方に行わせていただいておりますインフルエンザの予防注射でも、注射による副作用が全くないわけではありません。 幸い今日まで注射部位が少し腫れた程度の副作用しか経験しておりませんが、ショックを起こして死亡されたという事例があることも事実なのです。 また日常吸入していただいているネブライザーや服用していただいている内服薬でも同様の事例が報告されています。 しかし副作用の頻度と治療で得られる利点とを冷静に判断すれば予防接種も日常の処置や投薬も十分行う価値があると考えられますので今後も現在の治療方針で医療を行うつもりです。

 私が今回の騒動で最も危惧することは日本のマスコミによるヒステリックで一方的な報道が世間で受け入れられることです。 国もこのような動きを受けて接種を積極的に推進しなくなりました。 世界的には日本の副作用騒ぎは医学的事実に基づかない騒ぎだと判断され、世界保健機構から接種を推進しない日本の医療行政が非難される事態になっているのですが、日本のマスコミはこのような側面はほとんど報道しません。 皆さんには、戦前「戦争だ、戦争だ、あいつは非国民だ」と煽り立て、戦後手のひらを返したように「平和だ、平和だ、あいつは軍国主義者だ」と騒ぎ立てる日本のマスコミの報道に左右されることなく冷静な判断を下していただきたいと存じます。

 昨年5月の院長通信ではホアキン・トレンツ・リャドという画家の作品展を紹介させていただきました。 実際にご覧になられた方からは「感動しました」というお言葉をいただきました。
今回は9月4日まで京都市立美術館で開催されておりますダリ展を紹介させていただきます。 スペイン、フィゲラスのダリ美術館やポルト・リガットの卵の家(ダリの住居)まで訪問したダリファンの私にとっては少し物足りない内容でしたが日本でこれだけまとまってダリの作品に触れられる機会はないと思われますのでシュルレアリスム絵画に興味をお持ちの方は一度出かけて見られてはいかがでしょうか。