兵庫県西宮市甲子園口 耳鼻咽喉科 レーザー手術 甲状腺腫瘍 花粉症 アレルギー

院長通信

2019年2月

花粉症対策

 今年もスギ花粉が飛散する時期が近づいて来ました。2月末頃には飛散が始まると思われますのでスギ花粉症をお持ちも方は何らかの対策が必要と思われます。

 目の前に迫った今年の花粉症シーズンに対しては抗アレルギー剤の予防内服をお勧めいたします。 予防内服とは花粉の飛散前から抗アレルギー剤を内服し、花粉が飛んできても鼻粘膜がアレルギー症状を起こしにくくする状態を作り出しておく治療法です。 予防内服を開始する時期は例年2月中旬から下旬にかけてとなります。 この時期の週間天気予報で1週後に気温が上昇すると報じられたら予防内服を開始してください。

 抗アレルギー剤には多くの種類があり、どの薬が良いのか迷われる方もおられると思います。 薬の効き具合や副作用の出方は患者様一人一人によって異なります。自分に合う薬を見つけるまではいろいろな薬を試してみるのが望ましいと思います。

 今年残念なニュースは一昨年に発売され副作用の少なさと効果の確かさでトップシェアを誇っていた「デザレックス」という抗アレルギー剤が厚生労働省に対する書類の不備を理由に発売中止となったことです。 当院でも多くの患者様がこの薬を使用されておりましたが、上記の理由により今シーズンは代わりの薬を見つけなければなりません。 昨シーズン「デザレックス」を服用されていた患者様は少し早めに受診していただき、新たな抗アレルギー剤を試して自分に合った薬を見つけていただきたいと存じます。

 5年前から開始されたスギ花粉症に対する舌下免疫療法ですが、想像以上に効果があるようで、当院で舌下免疫療法を行っておられる患者様は全員がその効果に満足されております。 根気のいる治療ではありますがスギ花粉症にお悩みの方は舌下免疫療法も考慮してください。 なおスギ花粉症に対する舌下免疫療法は花粉飛散前2ヶ月から花粉飛散時期にかけては開始することができません。 舌下免疫療法を行ってみようと考えておられる方は5月から11月の間にご相談ください。

 舌下免疫療法と同様に今からでは間に合いませんが、より簡単に治療効果を期待できる治療法にレーザー手術があります。 当院でも毎年約30名の方がアレルギー性鼻炎に対するレーザー手術を受けておられますが、その患者様の半数はスギ花粉に対するアレルギーをお持ちです。 そして約7割の患者様は花粉症の症状が軽くなったと感じておられます。 目のかゆみ等には効果はありませんが、鼻水やくしゃみが減るだけでも楽にこの季節を過ごすことができると思います。 レーザー手術の治療効果は時間の経過とともに薄れる傾向があり、特に新陳代謝の盛んな小児では初回手術の2〜3年後に再手術が必要となる場合もありますが、成人では5年以上効果が持続している患者様も多数おられます。 来年の花粉症に備えるためには今年の夏から秋にかけて手術を受けられることをお勧めいたします。