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院長通信

2019年6月

耳鼻科健診

 小さなお子様をお持ちの方にとって毎年5月、6月は耳鼻科健診の時期となります。 私の受け持ち施設の半数以上は近隣の保育所、幼稚園で毎年約700名の幼児を診察することになります。 近隣の施設ですから当院へ通院しておられる子供さんも多く、施設によっては三分の一が当院受診者といった状態です。 当院を受診されている子供さんの保護者の方から「健診で異常を指摘されなかったのですがもう病気は治っているのですか?」という質問を受けることがよくあります。 健診を行うたびに感じる事なのですが、医療機関できっちりと治療を受けている子供達は医療機関を受診したことのない子供達と比べるとはるかに健康状態が良いのです。 鼻水が出たり鼻が詰まったりした時に適切な治療を受けられた子供達は自分で体の異常を感知出来るようになりますが、放置された子供たちには病的な状態であることを自覚することさえできないのです。 私は健診の目的はこのような保護者に放置されたかわいそうな子供達を救うことにあると考えておりますので、どうしても治療を受けさせてほしいという子供達の異常を指摘することが主になるのです。

 以前にも述べさせていただいたことがあるのですが、健診を行っていて感じる保護者の方へのお願いは次のようなものです。

●お願いその一
年に一度は子供さんの耳の中をのぞいてあげてください。
耳の中に何かあるのが見えたら専門医を受診することをお勧めします。
●お願いその二
色のついた鼻が出ている時は医者に連れて行ってください。
緑色や黄色の鼻が出ているのは細菌感染による副鼻腔炎を起こしていると思われます。専門医で治療を行ってください。
●お願いその三
子供さんがいつも口を開けている時は専門医を受診させてください。
鼻疾患やアデノイド増殖症が存在する可能性があり、放置すると顔の形に影響が残ります。

 当院を受診されている子供さんたちの多くは「鼻が詰まったからお医者さんに行きたい」と意思表示ができるようになってきます。 小児期から病的な状態を自覚できるということは今後の人生にとって非常に重要なことであると私は考えております。 耳鼻科健診にはこのような教育的配慮も含まれていることを知っていただきたいと思います。