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院長通信

2019年12月

風邪と抗菌剤

 11月下旬からインフルエンザにかかる方が急速に増加し、西宮市内でも学級閉鎖に追い込まれる学校が見られるようになりました。 インフルエンザを防ぐためには人込みを避ける事、マスクを着用すること、外出から帰宅後にうがいと手洗いを励行することなどが上げられます。 少しでも感染の危険性を減らすために上記予防法を行ってください。

 発熱やのどの痛みが出現すると多くの方は「風邪」ひいたと表現されます。普段私たちが「風邪」と呼んでいる病気は発熱、咽頭痛、鼻漏、咳等の症状を呈する上気道の急性炎症の総称です。 このように「風邪」(上気道炎)といってもその症状を引き起こす原因が異なりますので、同じような症状でも原因によって治療法が異なります。 インフルエンザ、ヘルペス、水痘等のウイルスに対しては、発症直後に使用すればウイルスの増殖を抑えられる抗ウイルス薬がありますが、その他の大多数のウイルスに対しては有効な治療薬は開発されておらず対症療法が主となります。 ウイルス感染による「風邪」(上気道炎)には抗菌剤(抗生剤も含まれます)は無効で、使用することは控えるべきです。

 細菌感染による「風邪」(上気道炎)は抗菌剤で治療しますが、抗菌剤の服用方法には注意が必要です。 抗菌剤の長期使用は避けるべきですが、不十分な使用にも問題があります。 時々「症状がなくなったので薬の服用を途中でやめました」という患者さんがおられます。 しかし不十分な抗菌剤使用は細菌の生き残りを許し症状の再発を引き起こすだけでなく耐性菌を作り出す危険性も増加させます。 私は必要最低限の抗菌剤を処方しておりますので処方された抗菌剤は全て飲み切っていただきたいのです。 抗菌剤の効かない耐性菌増加が叫ばれる昨今、抗菌剤の適切な服用にご協力ください。

 最近受診される患者様の増加に伴いアイチケットのアクセスが急増しております。 日によっては受付開始後数分で待ち時間が4時間を超え、ネット受付を停止することもございます。 しばしば「ネットで順番が取れないのですが診察してもらえないのですか?」という質問をいただきます。 受付時間内に当院で受診手続きを取っていただいた患者様は必ず診察させていただきますので、ネット受付が締め切りになっている場合は直接当院へお越しください。