兵庫県西宮市甲子園口 耳鼻咽喉科 レーザー手術 甲状腺腫瘍 花粉症 アレルギー

院長通信

2023年2月

感染症と花粉症

 年が明けて一ヵ月が経過しましたが、新型コロナウイルス感染症は相変わらず猛威を振るっております。 当院では1月も40名以上の方が新型コロナウイルス感染症に罹患されました。 1月はさらにA型インフルエンザウィルス感染症も増加し、10名以上の方がインフルエンザに罹患されました。 両者の同時流行期にあると考えられますのでこれまでと同様の感染対策を続ける必要があると思います。

 2月は花粉症の始まる季節でもあります。 スギ花粉の飛散が報告されていないにもかかわらず花粉症の症状を呈する患者様が受診されております。 本格的なスギ花粉の飛散は2月下旬以降になると思われますのでスギ花粉症をお持ちも方はそろそろ抗アレルギー剤の予防内服を準備してください。 予防内服とは花粉の飛散前から抗アレルギー剤を内服し、花粉が飛んできても鼻粘膜がアレルギー症状を起こしにくくする状態を作り出しておく治療法です。 一度鼻粘膜でアレルギー反応が起こると刺激物質が次々と放出され症状がどんどん悪化してゆきます。 花粉症の症状を軽く済ませるためには鼻粘膜をアレルギー反応が起こりにくい状態にしてアレルギー反応の連鎖を起こさせないことがポイントです。 薬の力でアレルギー反応の連鎖を阻止するのが抗アレルギー剤の予防内服です。

 抗アレルギー剤には多くの種類があり、どの薬が良いのか迷われる方もおられると思います。 薬の効き具合や副作用の出方は患者様一人一人によって異なります。 自分に合う薬を見つけるまではいろいろな薬を試してみるのが望ましいと思います。

 スギ花粉症に対する根本的治療には舌下免疫療法があります。 数年にわたって毎日薬を服用し続ける必要があるという根気のいる治療ではありますが、当院で舌下免疫療法を行っておられる患者様は全員がその効果に満足されております。 舌下免疫療法より簡単な治療法でかなりの効果を期待できる治療法にレーザー手術があります。 当院でアレルギー性鼻炎に対するレーザー手術を受けられる患者様の約半数はスギ花粉症の患者様です。 レーザー手術を受けられた患者様の約7割は花粉症の症状が軽くなったと感じておられます。 7歳以上であれば小児に対してでも手術を行うことができます。

 なおスギ花粉症に対する舌下免疫療法もレーザー手術も花粉飛散前2ヶ月から花粉飛散時期にかけては開始することができません。 舌下免疫療法、レーザー手術を行ってみようと考えておられる方は5月から11月の間にご相談ください。

 目の前に迫った今年の花粉症に対してはもう薬物療法に頼るしかありませんが、予防内服を行うことによってより軽い症状で花粉症シーズンを乗り切ることが可能だと思います。