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院長通信

2010年8月

難聴

私たちは外界で生ずる空気の振動を外耳で集め、中耳で増幅させ、内耳で電気信号に変え、それを大脳で感知して音として認識しています。 この経路のどこかに問題が生じると音が聞こえにくくなる難聴と呼ばれる状態となります。
外耳や中耳に問題がある場合の難聴は伝音性難聴と呼ばれ適切な治療を行う事により聴力が改善する場合が多くみられます。 一方内耳や脳に問題がある場合の難聴は神経性難聴(感音性難聴)と呼ばれ、一部の症例を除き改善が困難な場合が多いのが現状です。

伝音性難聴
伝音性難聴を生ずる代表的な病気としては耳垢栓塞症(耳あか)、外耳炎、中耳炎等があります。 これらの病気は適切な治療をおこなえば聴力を回復させることができます。 小児に多くみられる難聴の原因に滲出性中耳炎があります。 小さい子供は難聴を訴える事はありませんので、周囲が十分な注意を払う必要があります(この滲出性中耳炎については次回詳しく触れさせていただきます)。

神経性難聴
神経性難聴を生ずる代表的な病気としては突発性難聴、内耳炎、メニエール病、音響外傷(大きな音を聞く事による内耳障害)等があります。加齢とともに聞こえが悪くなる老人性難聴も神経性難聴です。
突発性難聴とはある日急に聞こえが悪くなる病気で、発症直後であれば治療により聴力が回復する可能性があります。 急に聞こえが悪くなった場合は早急に耳鼻咽喉科を受診していただく必要があります。メニエール病による難聴も適切な治療を行えば聴力が回復する可能性があります。内耳炎、音響外傷、老人性難聴等による難聴はこれまで回復困難と考えられていましたが、最近開発された人工内耳を埋め込む方法である程度の聞こえが取り戻せるようになりました。

高度の難聴で日常生活にも困難をきたしている方は一定の基準を満たせば身体障害者手帳の交付を受けることが出来、補聴器の購入等に際し補助を受ける事が出来ます。
当院院長は身体障害者福祉法第15条の指定医師です。難聴でお困りの方はご相談ください。