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院長通信

2012年3月

補聴器の選び方

 私たちの体は年を重ねてゆきますといろいろな機能が衰えてきます。目に生じる変化が老眼で耳に生じる変化が老人性難聴です。老眼に対してはメガネ(老眼鏡)、老人性難聴に対しては補聴器といった装具で対応するわけですが、自分の症状に合う装具を選んで使用する事が大切です。しかし補聴器の選び方には色々と問題があるようです。

 補聴器の場合使用するためには電池が必要です。もし販売された補聴器が全て使用されていればそれ以上の電池が必要とされるはずなのですが、補聴器の販売台数に比べると電池の販売数が圧倒的に少ないのです。これは購入された補聴器の多くが使用されていない事を示します。実際日常臨床でも補聴器は持っているが使っていないという声をよく耳にします。
なぜこのような事が起きるのでしょうか。私は補聴器を購入される過程に問題があるのではないかと考えています。

 メガネを購入する時は色々な度数のレンズを試して一番見えやすいものを選ばれると思います。しかし補聴器を購入される場合種々の補聴器を次々と試すのはなかなか困難です。また補聴器はメガネに比べずっと複雑で、自分に合った補聴器でも設定を間違えると十分な効果は得られません。
そこで補聴器を購入する前に必要となるのが「言葉の聞き取りの検査」です。
一般に聴力検査とよばれているのは純音と呼ばれる一定の周波数の音に対する聴こえ方を調べる検査ですが、「言葉の聞き取りの検査」では人がしゃべる声に対する聴こえ方を調べます。色々な大きさの声を聴いていただき、どのくらいの大きさの声が最も聴こえやすいかを調べることにより最も耳に合う補聴器を選ぶ情報が得られるわけです。
補聴器を使用されている多くの患者様と接しておりますが、「言葉の聞き取りの検査」を行ってから補聴器を購入された方は非常に少ないようです。この辺りがたくさんの補聴器が使われずに放置されている原因ではと考えます。
補聴器の購入を考えておられる方は是非この「言葉の聞き取りの検査」を受けられる事をお勧めします。また補聴器を持っているが使っていない方も「言葉の聞き取りの検査」の結果に合わせてお持ちの補聴器を調整すれば、より聴こえやすい状態が得られる場合もありますので検査を受けることをお勧めします。

 高度の難聴で日常生活にも困難をきたしている方は一定の基準を満たせば身体障害者手帳の交付を受けることが出来、補聴器の購入等に際し補助を受ける事が出来ます。当院院長は身体障害者福祉法第15条の指定医師です。 難聴でお困りの方はご相談ください。