兵庫県西宮市甲子園口 耳鼻咽喉科 レーザー手術 甲状腺腫瘍 花粉症 アレルギー

院長通信

2013年2月

花粉症

 今年もスギ花粉が飛散する季節が近づいて来ました。飛び散る花粉の量、時期はその年の気候条件によって異なりますが、毎年確実にスギ花粉の飛散は起こります。今回は花粉症との付き合い方について私見を述べたいと思います。

 花粉症対策の第一歩は抗原からの回避です。マスク、メガネ等花粉暴露を防ぐための多くの対策品が市販されています。これらの利用に当たって最も注意すべき点は正しく装着する事です。不完全な使用法では折角の防御策も宝の持ち腐れとなってしまいます。また外出から帰宅した際衣服や髪を良く払う事、洗濯物を部屋干しにする事、窓や戸を開けての換気を避ける事などで花粉を出来るだけ屋内に持ち込まないようにする事も大切です。

 花粉症の治療法として最も一般的に行われているのが薬物療法ですが、当院では花粉症の患者様には予防内服をお勧めしています。これは花粉の飛散前から抗アレルギー剤を内服する方法です。火の手が上がってから消火するより、火の粉が飛んでくる前に水をかけておく方が被害を少なくできるというのがこの予防内服をお勧めする理由です。予防内服を開始する時期は例年2月中旬から下旬にかけてとなります。この時期の週間天気予報で1週後に気温が上昇すると報じられたら予防内服を開始してください。

 最近では新しい抗アレルギー剤が次々と開発されており、どの薬が良いのか迷われる方もおられると思います。薬の効き具合や副作用の出方は患者様一人一人によって異なります。自分に合う薬を見つけるまではいろいろな薬を試してみるのが望ましいと思います。

 当院では花粉症の患者様にも積極的にレーザー手術を行っております。 レーザー手術は一度行うと数年間は効果が持続します(7年間症状が出なかった方もおられます)。
しかし花粉症に対するレーザー手術は花粉の飛散時期およびその直前(1月から5月)には行えません。これは台風に襲われる直前に家の外壁工事を行わないのと同じ理由です。今年の花粉症には間に合いませんのでレーザー治療を希望される患者様は夏以降に治療を受けていただき来シーズンに備えていただく事になります。

 花粉症はハウスダストなどによる通年性アレルギーと異なり症状が急速に出現し、進行してゆく事が特徴です。発症直後から治療を始めないと症状がどんどん悪化しますので、少しでも鼻がむずむずし出したら早急に治療を開始する事をお勧めします。