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院長通信

2014年2月

鼻洗浄について

 当院では副鼻腔炎の患者様はもちろん、アレルギー性鼻炎、風邪症候群などで鼻詰まりや鼻水を来たした患者様に対しても鼻洗浄を行っております。
今月はこの鼻洗浄についてお話させていただきます。

 以前の院長通信でも説明させていただきました様に副鼻腔炎では膿性の色のついた鼻汁が鼻の中に溜まります。またアレルギー性鼻炎や風邪症候群では水様性または粘液性の透明な鼻汁が鼻の中に溜まります。これらの鼻汁をそのまま放置しますと鼻粘膜の機能が障害され症状がさらに悪化する事になります。
鼻洗浄は鼻の中に溜まった病的な鼻汁を除去し鼻粘膜が本来持つ生理機能を回復させる治療法なのです。また余分な鼻汁を除去することにより鼻詰まりも改善されます。鼻洗浄の効果は4〜5歳の子供でも判るようで、一旦鼻洗浄の快適さを体験した子供は積極的に鼻洗浄を行ってくれます。
鼻洗浄の有効性は欧米でも確立されており、副鼻腔炎の治療としては抗生剤服用と同等の効果があるとされています。

 鼻洗浄については鼻うがいとして機器が販売されている事もあり、家庭で鼻洗浄を行っておられる方もある事と思います。
家庭で鼻洗浄を行う場合に注意しなければならない点を上げますと。

  1. 洗浄には37度の生理食塩水または0.9%の塩化ナトリウムを溶かした精製水を使用する事(水道水を使用する場合は一度沸騰させてから使用してください)。
  2. あまり強い圧で洗浄しない事(圧を上げると中耳炎を引き起こす事があります)。
  3. 洗浄は1日1回程度が望ましい(過度の洗浄は鼻粘膜の繊毛運動を障害する恐れがあります)。
  4. 洗浄後に鼻の中の余分な洗浄液を除去する事。

などとなります。この様な点に十分注意を払っていただければ家庭でも安全に鼻洗浄が行えると思われます。

 副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)の治療法として鼻洗浄は有用な方法の一つですが、鼻洗浄のみで副鼻腔炎を治すことはできません。規則正しい日常生活、バランスのとれた食事、鼻をかむ習慣をつける事等も大切なポイントです。そして症状に応じた薬物治療やネブライザー治療等を鼻洗浄と併用する事により副鼻腔炎を治す事が出来るのです。
副鼻腔炎は治りにくい病気の一つですが、治らない病気ではありません。鼻洗浄を含む治療を根気よくお続けいただきたいと思います。