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院長通信

2016年6月

高齢者に生ずる難聴

 今回は病気を治すという行為について日ごろ私が考えていることを述べさせていただきたいと思います。

 多くの高齢者が経験される加齢による神経性難聴では聴力そのものを回復させることはできませんが補聴器を使用することにより聴こえ方が改善する場合もあります。 当院を受診され神経性難聴(老人性難聴)と診断された患者様のほとんどは補聴器の使用経験をお持ちでした。しかし十分に補聴器を活用されている患者様は多くないようです。
 以前にも一度補聴器について述べたことがありましたが(平成24年3月)、時間も経ちましたし、最近補聴器についての相談を受けることが増えましたので今一度補聴器についてお話させていただきたいと思います。

 補聴器の購入を考えられておられる方に必ず受けていただきたい検査が「言葉の聞き取りの検査」です。 「言葉の聞き取りの検査」とは人がしゃべる声に対する聴こえ方を調べる検査で、ヘッドホンからお聞かせする言葉(「あ」とか「か」とか)を聴き取っていただく検査です。 異なった大きさの音を聴いていただき、どの大きさの音が最も良く聴こえるかを調べます。 この検査で良い結果が得られた場合は最も良く聴こえる条件に設定した補聴器を装着すると大きな効果が得られます。
一方この検査で言葉があまり聴き取れない患者様では補聴器の効果はかなり限定的となります。

 いずれの場合でも補聴器の購入をお考えの場合はご購入までに必ず試験装着を行っていただきたいと思います。 補聴器の条件をいろいろと変更し、自分に一番合ったものにするまで根気よく調整を行うことが必要です。 当院では第一と第三月曜日の午後0時半から補聴器の専門家による補聴器の貸し出し、調整を行っておりますので補聴器について相談を希望される方は診察中にお申し出ください。

 高度の難聴で日常生活にも困難をきたしている方は一定の基準を満たせば身体障害者手帳の交付を受けることが出来、補聴器の購入等に際し補助を受ける事が出来ます。 当院院長は身体障害者福祉法第15条の指定医師です。難聴でお困りの方はご相談ください。