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院長通信

2017年12月

インフルエンザ対策

 今年も11月末から少数ではありますがインフルエンザにかかった患者さんが出てまいりました。
インフルエンザはインフルエンザウイルスが原因となって生ずる急性感染症でのどの痛み、水鼻などの上気道炎の症状に加えて高熱、頭痛、筋肉痛、関節痛などが急速に表れるのが特徴です。 他のウイルスを原因とする風邪症候群に比べると伝染性が強く症状が重症化しやすいのが特徴です。
インフルエンザの感染経路として最も多いのは、患者さんから排出されたウイルスが漂う空気を吸い込んで感染する「飛沫感染」ですが、患者さんがウイルスの付着した手で触れたドアノブや手すりを触って手にウイルスを付着させそこから口や鼻を介して感染する「接触感染」にも気を配らなければなりません。 そのためインフルエンザが流行する12月から3月までの間は「人込みを避ける」、「マスクを着用する」、「外出後の手洗いうがいを励行する」などの対策を取って感染を少しでも防止する努力が必要です。
またインフルエンザ予防接種を受けることも感染予防に有効です。
今年はワクチンの製造過程でトラブルが相次ぎワクチンの供給が遅れています。 予防接種を希望される患者様に即時に対応できないこともしばしばでご不便をお掛けしておりますが、何とか年内には希望者全員に接種を行うべくワクチン確保に努力しております。
インフルエンザワクチンは予防効果が出るまでに接種後2〜3週間かかるとされており、予防効果は約半年です。 12歳以下の小児は二回接種が必要で、二回接種の場合は2週以上、出来れば3週以上の間隔を空けて接種するのが望ましいとされています。
インフルエンザの潜伏期間は1〜2日と非常に短く、感染後すぐに症状が出るのが特徴です。 また症状が出る前に他人に感染するほど感染力が強く、これが爆発的な流行を引き起こす原因の一つです。
インフルエンザに罹っていても発症直後では検査で検出されないことがあり、一旦検査で陰性と判定されても半日から1日後の再検査で陽性と判明することもしばしばです。 インフルエンザの治療は発症48時間以内に開始した場合最も効果が高いとされていますので検査を受けるタイミングも重要です。 当院では発症後6時間でも高率にインフルエンザウイルスを検出できる測定機器を使用し、できるだけ早期に診断を確定させ治療を開始できるよう努めております。

 インフルエンザは症状が出た後3日を経過すると感染力が弱まり始めると考えられていますが、学校保健安全法では「インフルエンザに罹った場合 発症後5日を経過しかつ解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで休学しなければならない」と定めてあります。 例えば水曜日に発熱しインフルエンザと診断された場合は木曜日から土曜日の間に解熱すれは翌週の火曜日から登校可能、日曜日に解熱した場合は水曜日から登校可能となります。 治療が有効で早期に体が元気になっても他人に病気を移す可能性がありますので定められた期間内は自宅で安静に過ごしていただくようお願いいたします。